前に免疫力と健康の関係について書いたときに、免疫力を高めるには腸の働きが重要とお話ししました。今回はその腸について少し詳しく書いていこうと思います。
【健康を左右する腸の働き】
皆さんはご存知だと思いますが、腸とは小腸と大腸から成り食べ物の消化・吸収・排泄を担っています。これは腸の大事な働きのひとつですが、実はその他に腸には２つ働きがあります。
①《人の免疫において大事な役割を持つ》
これは免疫力の話のときにも少し書いた働きですが、腸には人が持つ免疫細胞のうちの約６割が待機していると言われています。待機している免疫細胞は、口を通じて食べ物と一緒に入って来た細菌やウイルスなどの外敵と戦い侵入を食い止めます。免疫とは病気から自身を守る防衛システムだからです。
②《腸内細菌の働きが健康に影響する》
私たちの腸内には腸内細菌が棲んでいます。その腸内細菌は食物が消化・吸収された残りかすを食べて生理活性物質(身体の働きを調整する役割を持った物質)や酵素・毒素などの物質を産生しています。私たちの腸の中には５～６００種類、およそ６００～１０００兆個の腸内細菌が棲んでいると言われていて、食中毒など特別な危害を及ぼさない限りはそれらの細菌の生息を許しています。その中で健康に良い作用をもたらすものを『善玉菌』、悪い作用をもたらすものを『悪玉菌』、健康に良いようにも悪いようにも作用するものを『日和見菌』と呼びます。
このように腸は消化器官としての機能以外にも大切な働きを担っているので、腸の不調は消化・吸収・排泄の異常以外にも免疫力の低下や腸内細菌の毒素産生に繋がり、結果としてガンやアレルギー、過敏性腸症候群や便秘の原因となる可能性があるのです。ですから腸内環境は健康である為にとても重要であることが分かりますね。
では腸内環境を良くしていくにはどうしたら良いのでしょうか？
【腸内環境悪化の原因を取り除きと改善！】
現代人の食生活や生活習慣は腸内環境にとって様々な問題があるとされます。
・食生活の欧米化により高タンパクや高脂肪で食物繊維不足
・ストレスが多い不規則な生活
・運動不足または過度なダイエット
などが代表的です。
その結果、腸内環境のバランスが崩れ悪玉菌が増える事になり、『免疫力の低下』『生活習慣病』『肌荒れ』『老化』『下痢・便秘』やその他の病気になるリスクを高め、健康にも悪影響を与えると考えられています。
上記に当てはまる様な食生活や生活習慣の方は特に積極的に腸内環境の改善に取り組んでいく必要があります。っその為の改善方法を最後に２つお話しします。
《①悪化する原因を取り除く》
言ってみれば当たり前ですが、改善させるにはその原因を取り除くのが先決です。
・過度なストレスを回避、適度な運動の習慣をつけストレスを発散
・バランス良く、規則正しい時間に、食事は抜かず出来れば３食
・肉食に偏らず、十分な野菜も摂る
・過度なダイエットは控え、適度な運動や食事で原料を
・規則正しく十分な睡眠をとり、疲労回復に努める
《②２つの方法で善玉菌を増やす》
善玉菌を増やすにはそのまま善玉菌を補給する方法と、腸内での善玉菌の増殖を助ける方法とがあります。両方をバランス良く行う事によって、効率良く善玉菌を増やすことが出来るでしょう。
◆善玉菌の補給・・・ヨーグルトなど善玉菌を含む発酵食品を摂取する事が効果的ですが菌によっては腸に届くまでに死んでしまう為、生きて腸まで届く菌を含む食品が望ましいです。ですが死んでしまった菌も全く無駄という訳ではありません。
◆善玉菌の増殖を助ける・・・善玉菌の増殖を助けるには、そのエサになる食物繊維やオリゴ糖を摂取するのが効果的です。発酵食品などから補給した時に、腸まで到達する前に胃酸などによって死んでしまった善玉菌も他の菌のエサになる事で増殖を助けます。
いかがだったでしょうか？
食生活や生活習慣を改善して行くのはなかなか難しいと思ってしまいがちですが、少しづつ出来る所からやって行きましょう。皆さんの健康の助けになればと思います。
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