「肝機能低下」の症状かも!肝臓と疲れのつながりについて 後編

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改善・対処するために
バランスの良い食生活は、肝臓をいたわるために不可欠です。
1日3食、腹八分目程度の食事量を規則正しく食べることを意識しましょう。生体リズムを整えることで、肝臓への負

担を減らすことが期待できます。

細胞の再生に必要な、良質なタンパク質を摂取するために必須アミノ酸を十分に含む肉・魚・大豆製品・卵を中心

に、主食・主菜・副菜のバランスよい食事をすることを心がけましょう。塩分・カロリーの摂りすぎには十分注意

必要です。


また、ストレスによる自律神経の乱れは肝臓にも影響を与えます。ぬるめのお湯で10分程度の入浴は内臓に負担をか

けず、疲労を取ることができるのでおすすめです。

風邪をひいているときは、健康な人でも一時的に肝機能の低下がみられます。日頃から十分な手洗い・うがいなどを

するなど心がけましょう。

専門機関で定期的なチェックを受けましょう
肝機能低下の症状は風邪などと似ているため、原因が肝臓とわかりにくいことも多くあります。たとえ軽くとも体調

不良が続いたら、医療機関を受診してみましょう。

肝炎ウイルスは血液検査で調べることができます。自覚症状がないとしても、早期に治療を始めることができ、重篤

な病気に進行することを防ぎます。
人間ドックや健康診断時に、腹部超音波検査を合わせて受診することも予防策として有効です。

スポーツによる肝臓への影響
運動時は、心拍出量が増加したり、体を動かすために必要な骨格筋への血流量が増加します。一方、消化器官の血流

は減少します
そのため、消化器官の1つである肝臓も運動をすると血流が減少します

リジンの摂取で肝臓を保護
必須アミノ酸のひとつ「リジン」は肝臓の働きをサポートしてくれます。
肝臓の働きがスムーズになると、脂肪酸を分解する働きが高まり、肝臓を保護する効果が期待できます。

リジンは体内で作り出すことができないアミノ酸のため、食事から摂る必要があります。穀物には不足しているため

動物性タンパク質を含む肉・魚・卵や大豆製品を合わせて摂るようにしましょう。

負荷をかけすぎない
肥満や生活習慣病の予防に役立つ運動ですが、強度が高すぎると逆に貧血につながる恐れがあります。無理を感じな

い程度の適切な負荷で運動を行うようにしましょう。

 

アスリートが意識したい肝臓への栄養補給

 

運動強度・量ともに多くをこなすアスリートにとって、肝臓は負担をかけやすい臓器です。
高強度の運動をこなすほど、回復速度は遅くなるといわれています。

トレーニング後には素早い糖質+タンパク質補給
体を動かすためのエネルギー(グリコーゲン)は脳・筋肉、そして肝臓に貯蔵されています。
練習で枯渇したエネルギーを補給せずにいると、肝臓に貯められているエネルギーが使われてしまいます。

素早く糖質+タンパク質を補給して回復のためのエネルギーを確保し、筋肉の材料を供給しましょう。エネルギー補

給が早いほど、体の回復もスムーズになります

肝臓に貯蔵されるエネルギーはいわば予備のバッテリーのようなものです。エネルギーを補給することは、疲弊した

肝臓の機能を保護することにもつながります。

自分の血液状態を知り、過剰な鉄の摂取は控える
自分のヘモグロビン値を知っていますか?運動量・強度によって前後しますが、定期的にぜひ調べてみるようにしま

しょう。
運動特性から貧血が起こりやすい種目であれば、貧血予防として鉄分補給の意識はとても大切です

しかしトレーニング量とヘモグロビン値が見合っている適正値であるにも関わらず、サプリメントで安易に鉄を摂り

すぎると肝臓への負担が増します

運動量に合ったエネルギー、そしてバランスのとれた食事の中で鉄を含む食材、吸収を助ける食材をプラスしましょ

う。赤身の魚や、貝類、海藻類、そして吸収を助けるほうれん草、小松菜、春菊などの青菜類、ミカンなどのかん

きつ類の果物などがおすすめです。

気づかないうちに病気に発展することも
肝臓は自覚症状がないまま、病気が進行しやすい臓器で、血液検査、人間ドックや超音波検査などで偶然発見される

ことが多くあります。

脂肪肝
肝臓に中性脂肪が過剰蓄積した状態です。
アルコールを多量摂取する人に起こりやすい疾患といわれてきましたが、現在は過食(食べ過ぎ)による非アルコー

ル性脂肪性肝疾患(NAFLD)も増えています。

原因
食べ過ぎ、飲み過ぎが大半を占めますが、高血圧、糖尿病などの生活習慣病からの合併症、薬の服用、栄養障害など

からも発生します。

症状
疲れやすさや腹部に不快を感じる場合もありますが、ほとんど自覚症状がありません。
知らないうちに肝炎や肝硬変につながることが多いので注意が必要です。

アルコール性肝炎
常習的に飲酒をする人が大量に飲酒した後、発症するといわれています。振興すると肝硬変や肝臓癌になる場合があ

るので注意が必要です。

原因
飲酒歴・飲酒量が診断の目安となります。

症状
食欲不振・だるさ・発熱を伴い、肝臓の腫れと同時に上腹部に痛みを生じます。黄疸、尿の色の変化(紅茶色)が見

られ、ひどくなると腹水・むくみも発生します。

ウイルス性肝炎
肝炎ウイルスの感染を原因として、急性の肝機能障害が起こります。

ウイルスにはA・B・C・D・Eの5種類があり、型により2種類の感染経路を持ちます。

型 感染経路
A・E ウイルスに汚染された水・食物からの経口感染
B・C・D 血液・体液からウイルスに感染
症状
黄疸、食欲不振、嘔気嘔吐、全身倦怠感、 発熱などが挙げられます。
一般的には予後も良好ですが、悪化すると生命に関わる危険性もあり、肝臓移植手術が必要になることも考えられます。

肝硬変
ウイルス・炎症などで壊された肝臓の組織細胞(肝細胞)が再生する過程で、肝臓が繊維に置換され、肝臓が硬くな

っていく病気です
肝臓の繊維化が進むと肝臓全体がごつごつした状態になり、機能が低下していきます。

原因
B・C型ウイルス性肝炎からの進行が大半ですが、慢性肝炎、お酒の飲み過ぎ、自己免疫性肝疾患などから進行する

場合もあります。

症状
初期にはほとんど症状がなく、進行してくると全身倦怠感、疲労感などが出てきます
肝臓が硬くなると腹水・食道静脈瘤などの症状、肝機能低下に伴い肝性脳症や黄疸などの症状が現れてきます。

肝臓にこまめな気遣いを
「肝心かなめ」の肝は、肝臓の肝を指します。それだけ肝臓は体の中で重要な働きをこなす臓器です。仕事量が多い

だけに、ひとたび機能低下するとさまざまな症状につながります。

肝臓自体が「沈黙の臓器」と称されるように、なかなか症状が表に出てこないため、知らず知らずに負担をかけてし

まっていた…と思い当たるところもあるのではないでしょうか?

目に見えないところだけに生活習慣、食生活などに気を配り、肝臓の働きをサポートしてあげましょう。疲れが抜け

てきた、と感じたらそれは肝臓が元気になってきたサインかもしれません!

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